LOADING

KATAKORI-TSUBO-OSHIKATA-ICHI-GUIDE 肩こりツボ完全ガイド|現役整体師が教える即効性のある15のツボと正しい押し方【2025年最新版】

KATAKORI-TSUBO-OSHIKATA-ICHI-GUIDE

はじめに|なぜ私がこの記事を書くのか

整体師として10年以上、延べ2万人以上の肩こりに悩む方々と向き合ってきました。プロスポーツチームのトレーナーとしても2年間活動し、アスリートから一般の方まで幅広くケアしてきた経験があります。

正直に言うと、ネット上の「肩こり ツボ」の情報には首をかしげることが多いんです。

「このツボを押せば肩こりが治る!」なんて書いてあるサイトもありますが、それは言い過ぎです。ツボ押しはあくまでセルフケアの一つ。でも、正しくやれば確かに楽になる。

問題は「正しいやり方」がきちんと書かれていないこと。

「ツボの位置はここです」と写真が載っていても、実際に自分の体で探そうとすると「本当にここで合ってるのかな?」と不安になりませんか?

押す強さも「適度に」「気持ちいい程度に」としか書かれていない。でも「適度」って何グラム?「気持ちいい」の基準は?

この記事では、現場で培った経験をもとに、そういった曖昧さを徹底的に排除してお伝えします。


目次

  1. 肩こりにツボ押しが効く理由|科学的なメカニズムを深掘り
  2. ツボ押しの基本ルール|効果を最大にするための具体的な方法
  3. 首まわりのツボ5選|デスクワークの味方
  4. 肩・背中のツボ5選|ガチガチの肩甲骨まわりに
  5. 手・腕のツボ3選|どこでも押せる便利なツボ
  6. 足のツボ2選|全身の調整に
  7. 症状別ツボの組み合わせ|あなたの肩こりタイプに合わせて
  8. シーン別おすすめツボ|いつ、どこで、何を押す?
  9. ツボ押しの効果を高める5つのテクニック
  10. よくある質問30選|素朴な疑問を徹底解消
  11. こんなときは病院へ|セルフケアの限界を知る

1. 肩こりにツボ押しが効く理由|科学的なメカニズムを深掘り

「ツボなんて本当に効くの?」「科学的根拠はあるの?」

こう思う方は多いでしょう。私も専門学校時代は半信半疑でした。でも、現場で何千人もの体に触れ、変化を見てきた今は確信しています。ツボ押しには確かな効果があると。

ただし、魔法ではありません。効くにはちゃんとした理由があります。

1-1. WHOが認めた361のツボ

WHO(世界保健機関)は2006年に「WHO Standard Acupuncture Point Locations」を発表し、人体には361か所の経穴(ツボ)があると公式に認定しました。

これは「なんとなく効く気がする」というレベルの話ではありません。世界中の研究者が何十年もかけて検証し、効果があると認められたということです。

さらに、2021年に発表された「頭痛の診療ガイドライン」では、ツボ刺激(指圧やお灸)が推奨度Aとして記載されています。推奨度Aというのは「行うよう強く勧められる」という最高ランクの評価です。

1-2. なぜツボを押すと肩こりが楽になるのか?5つのメカニズム

①軸索反射による血流改善

これが最も重要なメカニズムです。

ツボを押すと、その刺激は皮膚の感覚神経を通じて脊髄に伝わります。すると「軸索反射」という反応が起き、刺激を受けた場所の血管が広がります。

もう少し具体的に説明しましょう。

感覚神経の末端からは「CGRP」や「サブスタンスP」という物質が放出されます。これらの物質には血管を広げる作用があり、血流が増加します。

肩こりの大きな原因は血行不良です。筋肉に酸素や栄養が行き届かず、老廃物がたまってしまう。ツボ押しで血流が改善すると、この状態が解消されます。

私の施術経験では、ツボを5分間刺激した後に肩の皮膚温度を測ると、平均で1.5〜2℃上昇していることが多いです。これは血流が明らかに増えている証拠です。

②ファシア(筋膜)のリリース効果

最近注目されている「ファシア」という組織をご存知ですか?

ファシアとは、筋肉を包んでいる薄い膜のこと。全身をボディスーツのように覆っていて、筋肉同士をつないでいます。

このファシアが硬くなると、筋肉の動きが制限され、肩こりの原因になります。特にデスクワークで同じ姿勢を続けていると、ファシア同士が癒着して固まってしまいます。

ツボ押しには、このファシアをゆるめる効果があると考えられています。押す刺激によってファシアの層と層の間に「すべり」が生まれ、動きやすくなるのです。

整体の現場では「筋膜リリース」という手技がありますが、ツボ押しはセルフでできる簡易版の筋膜リリースとも言えます。

③エンドルフィンの分泌

ツボを刺激すると、脳内で「エンドルフィン」という物質が分泌されます。

エンドルフィンは「体内で作られるモルヒネ」とも呼ばれる物質で、痛みを抑える作用があります。その鎮痛効果はモルヒネの約6倍とも言われています。

だから、ツボを押した後に「肩が軽くなった」「痛みが和らいだ」と感じるのは、このエンドルフィンの働きによるところが大きいのです。

ちなみに、ランナーが長距離を走った後に感じる「ランナーズハイ」も、同じエンドルフィンによるものです。

④自律神経のバランス調整

肩こりと自律神経には深い関係があります。

ストレスや緊張状態が続くと、交感神経が優位になります。交感神経は「戦うか逃げるか」の神経で、筋肉を緊張させ、血管を収縮させます。これが肩こりを悪化させます。

ツボ押し(特にゆっくりとしたリズムでの刺激)は、副交感神経を優位にする効果があります。副交感神経は「休息と回復」の神経で、筋肉をゆるめ、血管を広げます。

私のクライアントで、夜にツボ押しを習慣にしてから「よく眠れるようになった」「朝の肩のこわばりが減った」という方がたくさんいます。これは自律神経のバランスが整った結果だと考えられます。

⑤トリガーポイントの解消

トリガーポイントとは、筋肉にできる「しこり」のようなもので、押すと離れた場所に痛みが広がる特徴があります。

例えば、肩にあるトリガーポイントを押すと、腕や頭に痛みが響くことがあります。これが肩こりに伴う頭痛や腕のだるさの原因になっていることも多いのです。

興味深いことに、東洋医学のツボとトリガーポイントの位置は約70%が一致するという研究報告があります。つまり、昔の人は経験的にトリガーポイントの位置を「ツボ」として発見していた可能性があるのです。

ツボ押しでトリガーポイントを刺激することで、筋肉のしこりがゆるみ、関連痛も軽減されます。

1-3. ツボ押しの効果はどのくらい続くのか?

これは正直に言うと、人によってかなり差があります。

私の施術経験では:

  • 即効性:施術直後に「軽くなった」と感じる人は約85%
  • 持続時間:30分〜2時間が最も多い(約50%)、半日以上続く人は約20%
  • 慢性的な改善:毎日5分のセルフケアを1か月続けると、約70%の人が「こりにくくなった」と実感

ツボ押しを1回やっただけで肩こりが完全に治ることはありません。でも、毎日続けることで「こりにくい体」に変わっていくことは確かです。


2. ツボ押しの基本ルール|効果を最大にするための具体的な方法

「なんとなく押している」のと「正しく押している」のでは、効果に天と地ほどの差が出ます。

ここでは、私が10年以上の施術経験で確立した「ツボ押しの基本ルール」を、できる限り具体的にお伝えします。

2-1. 押す強さ|体重何kgで押せばいいのか

これが最も質問される部分です。「適度に」「気持ちいい程度に」では分かりませんよね。

結論から言うと、体重1〜2kgの圧が目安です。

「体重1kg」がどのくらいの感覚か、今すぐ確かめてみましょう。

  1. キッチンスケール(料理用のはかり)を用意する
  2. 親指をスケールに乗せ、体重をかけていく
  3. 1kgになったところで止める

やってみると分かりますが、思っているよりかなり軽いはずです。

多くの人は「もっと強く押さないと効かないんじゃないか」と思って、3〜5kgくらいの圧をかけてしまいます。これは逆効果です。

強く押しすぎるとどうなるか:

  • 筋肉が防御反応で収縮し、余計に硬くなる
  • 翌日に「もみ返し」が起きる
  • 皮下出血(アザ)ができることもある
  • 痛みで体が緊張し、リラックス効果が得られない

「痛気持ちいい」の正体:

よく「痛気持ちいい強さで」と言いますが、これをもう少し具体的に定義すると:

  • 押したときに「ズーン」と響く感覚がある
  • 痛みを感じるが、思わず避けたくなるほどではない
  • 押している間、深呼吸ができる程度
  • 離したときに「あー、効いた」という感覚がある

もし押している間に呼吸が止まってしまうなら、それは強すぎです。

2-2. 押す時間|何秒押して何秒休むのか

基本パターン:「3〜5秒押す → 2秒休む」を5回繰り返す

1つのツボあたり合計30秒程度です。

なぜこのパターンなのか?

押し続けると筋肉が慣れてしまい、刺激に反応しなくなります。一方、「押す→離す」のリズムを作ることで、毎回新鮮な刺激として体が反応します。

また、「離す」瞬間に血液がドッと流れ込みます。これを「虚血性緩解」と呼び、血流改善に大きく貢献します。

押すときのリズム:

  1. 息を吐きながら、3秒かけてゆっくり圧を加えていく
  2. 最大圧で2秒キープ
  3. 息を吸いながら、2秒かけてゆっくり圧を抜く
  4. 完全に離して2秒休む
  5. これを5回繰り返す

「いち、に、さん(押す)、し、ご(キープ)、ろく、なな(離す)、やすみ(休む)」と心の中で数えるとやりやすいです。

2-3. 押す回数と頻度|1日何回、何日続ければいいのか

1日の回数:2〜3回が理想

  • 朝:起きてすぐ、または朝食後
  • 昼:昼休みや午後の休憩時間
  • 夜:お風呂上がり、または寝る前

続ける期間:最低2週間

効果を実感するまでの目安:

  • 3日目:「なんとなく軽いかも」(約40%の人)
  • 1週間:「確かに楽になってきた」(約60%の人)
  • 2週間:「明らかに違う」(約75%の人)
  • 1か月:「こりにくくなった」(約70%の人)

大切なのは「毎日少しずつ」です。週末にまとめて30分やるより、毎日5分を続ける方が効果的です。

2-4. 押し方のバリエーション|4つの基本テクニック

ツボの場所や症状によって、押し方を使い分けると効果が上がります。

①持続圧(ホールド)

やり方:ツボに圧をかけ、そのまま5〜10秒キープする

向いているツボ:風池、肩井、合谷など

向いている症状:急性の痛み、筋肉の緊張が強いとき

コツ:圧を加えていくときに、ツボが「受け入れてくれる」感覚を待つ。無理やり押し込まない。

②揉み圧(ニーディング)

やり方:ツボに圧をかけながら、小さな円を描くように動かす

向いているツボ:天宗、膏肓など背中の広い範囲のツボ

向いている症状:慢性的なこり、筋肉全体が硬いとき

コツ:円の直径は1〜2cm程度。大きく動かしすぎると皮膚が擦れて痛くなる。

③振動圧(バイブレーション)

やり方:ツボに圧をかけながら、細かく振動させる

向いているツボ:風池、完骨など頭部のツボ

向いている症状:頭痛、目の疲れ、リラックスしたいとき

コツ:手首を小刻みに動かす感覚。圧は弱めで、振動の細かさを重視。

④間欠圧(パルス)

やり方:「押す→離す」を1秒ごとにリズミカルに繰り返す

向いているツボ:足三里、曲池など手足のツボ

向いている症状:血行促進、冷え性

コツ:メトロノームのように一定のリズムを保つ。強さは均一に。

2-5. ツボ押しの前後にやるべきこと

押す前の準備

①手を温める

冷たい手で押すと、体が緊張してしまいます。手をこすり合わせるか、お湯で温めてから始めましょう。

②対象部位を温める

理想はお風呂上がり。時間がなければ、蒸しタオルを30秒〜1分当てるだけでも違います。

蒸しタオルの作り方:

  1. タオルを水で濡らして軽く絞る
  2. 電子レンジで30秒〜1分加熱
  3. 熱すぎないか確認してから当てる

③深呼吸を3回

自律神経を副交感神経優位に切り替えます。鼻から4秒吸って、口から8秒かけて吐く。

押した後のケア

①水を飲む

ツボ押しで老廃物が流れやすくなっています。コップ1杯の水を飲んで排出を促しましょう。

②すぐに激しい運動をしない

ツボ押し直後の筋肉は柔らかくなっていますが、それは一時的なもの。いきなり激しく動くと、かえって痛めることがあります。15分程度は安静に。

③記録をつける

どのツボを押して、どう感じたかを記録しておくと、自分に合うツボが分かってきます。スマホのメモでOKです。

2-6. やってはいけない7つのこと

ツボ押しは基本的に安全ですが、以下の場合は避けてください。

①食後すぐ(30分は空ける)

消化のために血液が胃腸に集まっています。ツボ押しで血流を分散させると、消化不良の原因に。

②飲酒後

アルコールで血管が広がっている状態でツボ押しをすると、血流が急激に変化して気分が悪くなることがあります。

③発熱時(37.5℃以上)

体が感染と戦っている最中です。ツボ押しで血流を変えると、体の負担が増えます。

④ツボの場所に傷や炎症があるとき

当然ですが、傷口を押すと悪化します。周辺のツボで代用しましょう。

⑤極度の空腹時

血糖値が下がっている状態でツボ押しをすると、めまいを起こすことがあります。

⑥入浴直前

ツボ押しで血流が良くなった状態で熱いお風呂に入ると、のぼせやすくなります。入浴後のツボ押しがおすすめです。

⑦骨の上を直接押す

ツボは基本的に筋肉や腱の上にあります。骨を直接押しても効果はなく、痛いだけです。


3. 首まわりのツボ5選|デスクワークの味方

首から肩にかけてのこりは、現代人の約8割が悩んでいると言われています。特にパソコンやスマホを長時間使う方には、この5つのツボが必須です。

ツボ① 風池(ふうち)

重要度:★★★★★(最重要)

私が最初に覚えてほしいツボはこの風池です。肩こりに効くツボの中で、最も即効性があると感じています。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:後頭部の髪の生え際を触る

ステップ2:首の真ん中にある太い筋肉(僧帽筋)を確認する

ステップ3:その筋肉の外側、生え際のラインにくぼみがある

ステップ4:そのくぼみが風池

もっと具体的に言うと

耳たぶの後ろにある骨の出っ張り(乳様突起)と、首の真ん中の筋肉の中間点です。指幅で言うと、首の中心から外側に約3〜4cm。

確認方法:親指でくぼみを押したとき、「ズーン」と頭の中心や目の奥に響く感覚があれば正解です。

具体的な押し方

基本の押し方

  1. 両手を頭の後ろで組む(指を交互に絡める)
  2. 両手の親指を風池の位置に当てる
  3. 頭を少し後ろに倒して、親指に体重を乗せる
  4. やや上向き(眉間の方向)に押す
  5. 3秒押して2秒休む、これを5回

圧の強さ:体重1〜1.5kg程度。頭の重みを利用するので、力はあまり要りません。

押す角度:真後ろからではなく、やや斜め上(眉間の方向)に向かって押すと効果的。

こんな症状に効く

  • パソコン作業後の首こり
  • スマホ首(ストレートネック)
  • 後頭部の頭痛(緊張型頭痛)
  • 目の疲れ、目の奥の痛み
  • 首の後ろのこわばり
  • 寝違えの初期

私の経験談

デスクワーカーの方には必ず最初に教えるツボです。

「目がスッキリする」「視界が明るくなった」という声をよくいただきます。パソコン作業が多い私自身も、1時間ごとにこのツボを押すのが習慣になっています。

先日、40代の会社員の方(毎日10時間以上パソコン作業)が来院されました。首と肩がガチガチで、頭痛薬が手放せないとのこと。

風池を中心としたセルフケアを2週間続けてもらったところ、「頭痛薬を飲む回数が週5回から週1回に減った」と報告がありました。

注意点

  • 強く押しすぎると気分が悪くなることがあります。めまいを感じたらすぐにやめてください。
  • 高血圧の方は、医師に相談してから行ってください。

ツボ② 天柱(てんちゅう)

重要度:★★★★☆

風池の「隣人」とも言えるツボ。風池と合わせて押すと相乗効果があります。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:首の後ろの真ん中を指でたどる

ステップ2:2本の太い縦の筋肉(頭半棘筋)を確認

ステップ3:その筋肉のすぐ外側の溝、髪の生え際の高さ

ステップ4:そこが天柱

風池との違い:天柱は風池より約2cm内側(首の中心寄り)にあります。

確認方法:押すと首の付け根から肩にかけて「ズーン」と響きます。

具体的な押し方

  1. 両手の親指を天柱に当てる(風池と同じ要領)
  2. 残りの4本指で後頭部を支える
  3. 首を少し前に倒す(あごを引く感じ)
  4. 真上に向かって押す
  5. 3秒押して2秒休む、これを5回

風池との連続押し

天柱を5回押す → 風池を5回押す → また天柱 → また風池、と交互に3セット行うと効果的です。

こんな症状に効く

  • 首のつけ根がガチガチ
  • 寝違えて首が回らない
  • 肩から首への「つながった」こり
  • 朝起きたときの首のこわばり

ツボ③ 肩井(けんせい)

重要度:★★★★★(最重要)

「肩こりと言えばここ」という代表的なツボ。テレビで見たことがある方も多いでしょう。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:首のつけ根(第7頸椎)を確認。首を前に倒したとき、一番飛び出す骨です。

ステップ2:肩先(肩峰)を確認。肩の一番外側の骨の出っ張りです。

ステップ3:この2点を結んだ線の、ちょうど真ん中

ステップ4:その真ん中で、肩の一番高い(盛り上がった)ところが肩井

別の見つけ方:首のつけ根から肩先に向かって指をすべらせていくと、特に硬くて押すと響くポイントがあります。そこが肩井です。

確認方法:押すと「ズーン」と肩全体、ときに腕や背中にまで響く感覚があります。

具体的な押し方

基本の押し方

  1. 右肩なら左手、左肩なら右手で押す
  2. 肩をつかむように手を置く
  3. 中指(または人差し指と中指)を肩井に当てる
  4. 真下に向かって押す
  5. 5秒押して3秒休む、これを5回

圧の強さ:体重2kg程度。肩の筋肉は厚いので、少し強めでも大丈夫です。

テニスボールを使う方法(おすすめ):

  1. 壁に背を向けて立つ
  2. テニスボールを肩井の位置に当てる
  3. 壁に寄りかかって体重をかける
  4. ボールを当てたまま、小さく上下左右に動く
  5. 30秒〜1分続ける

この方法だと、指が疲れず、強めの刺激も入れやすいです。

こんな症状に効く

  • 肩がパンパンに張っている
  • 肩が上がりやすい(いかり肩)
  • 肩の盛り上がりが気になる
  • ストレスで肩に力が入る
  • 重いものを持った後の肩こり

私の経験談

プロチームのトレーナー時代、試合後の選手たちは肩井がカチカチでした。特にピッチャーは顕著で、肩井を押すと「そこです!」と声が出るほど。

テニスボールを使ったセルフケアを教えると、遠征先でも自分でケアできるようになり、好評でした。

⚠️重要な注意点

妊娠中の方は肩井を強く押さないでください。

肩井は古くから「堕胎のツボ」として知られており、強い刺激は子宮の収縮を促す可能性があると言われています。科学的な検証は十分ではありませんが、安全を期して避けるべきです。

軽く触れる程度、または周辺の筋肉をさする程度にとどめてください。


ツボ④ 完骨(かんこつ)

重要度:★★★☆☆

あまり知られていませんが、首の横のこりや頭痛に効果的なツボです。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:耳たぶの後ろにある骨の出っ張り(乳様突起)を確認

ステップ2:その骨の下端(下のはじ)を触る

ステップ3:骨の下端のすぐ下のくぼみが完骨

具体的な測り方:耳たぶの付け根から、後ろに向かって約2cm。骨の出っ張りの下に指がすっぽり入るくぼみがあります。

具体的な押し方

  1. 人差し指か中指を完骨に当てる
  2. やや内側(首の中心方向)に向かって押す
  3. 3秒押して2秒休む、これを5回

圧の強さ:体重500g〜1kg程度。ここは痛みを感じやすいので弱めに。

こんな症状に効く

  • 首の横側がこる
  • 耳の後ろが詰まった感じ
  • 側頭部(こめかみ周辺)の頭痛
  • 耳鳴り
  • めまい

ツボ⑤ 翳風(えいふう)

重要度:★★★☆☆

噛みしめ癖がある方、歯ぎしりをする方に特におすすめのツボです。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:耳たぶを後ろに倒す

ステップ2:耳たぶの付け根と、顎の骨(下顎骨)の間にくぼみがある

ステップ3:そのくぼみが翳風

確認方法:口を開けるとくぼみが少しふくらみ、閉じるとへこみます。

具体的な押し方

  1. 人差し指を翳風に当てる
  2. 顎の骨の方向(やや前方)に向かって押す
  3. 3秒押して2秒休む、これを5回

圧の強さ:体重500g程度。非常に敏感な場所なので、やさしく。

応用テクニック

押しながら口をゆっくり開け閉めすると、顎周りの筋肉がゆるみやすくなります。

こんな症状に効く

  • 噛みしめ癖(くいしばり)
  • 歯ぎしり
  • 顎関節の違和感
  • 顎のこり
  • 耳の下の詰まり感
  • フェイスラインのむくみ

4. 肩・背中のツボ5選|ガチガチの肩甲骨まわりに

肩甲骨まわりのこりは、自分では手が届きにくいのが難点です。テニスボールやゴルフボールを使ったセルフケア方法も詳しくご紹介します。

ツボ⑥ 肩外兪(けんがいゆ)

重要度:★★★★☆

肩甲骨の上角(上の角)付近にあるツボ。腕を上げる動作に関係する筋肉に効きます。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:首を前に倒し、首の後ろで一番飛び出す骨(第7頸椎)を確認

ステップ2:そこから外側に向かって指4本分(約7〜8cm)

ステップ3:肩甲骨の上角(上の角)のあたり

別の見つけ方:腕を体の前で交差させると、肩甲骨が広がります。その状態で肩甲骨の上の角を触ると、コリコリした部分があります。そこが肩外兪です。

具体的な押し方

指で押す場合

  1. 反対の手を肩に回す
  2. 中指を肩外兪に当てる
  3. 肩甲骨の角に向かって押し込む
  4. 3秒押して2秒休む、これを5回

テニスボールを使う場合(おすすめ):

  1. 仰向けに寝る
  2. テニスボールを肩外兪の位置に置く
  3. 体重をボールに乗せる
  4. 30秒〜1分キープ
  5. 少しずつボールの位置をずらして、こっている場所を探す

こんな症状に効く

  • 肩甲骨の内側のこり
  • 腕を上げにくい
  • 肩を回すとゴリゴリ音がする
  • デスクワーク後の背中のだるさ

ツボ⑦ 膏肓(こうこう)

重要度:★★★★★(最重要)

「病膏肓に入る」ということわざの由来になった有名なツボ。手が届きにくい場所にあるため、「病がここまで来ると治療が難しい」という意味です。

でも、テニスボールを使えばセルフケアできます。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:肩甲骨の内側の縁(背骨側の縁)を確認

ステップ2:肩甲骨の内側縁に沿って、上から下へ指を滑らせる

ステップ3:肩甲骨の真ん中あたり、背骨から指4本分外側(約6〜7cm)

ステップ4:押すと肩甲骨の奥まで響く場所

目安:第4胸椎と第5胸椎の間の高さ。鎖骨の高さから下に約10cmくらいです。

具体的な押し方

膏肓は自分の指では届きにくいので、道具を使うことをおすすめします。

テニスボールを使う方法①(床で)

  1. 床に仰向けに寝る
  2. テニスボールを膏肓の位置に置く
  3. 両膝を立てて、体重をコントロール
  4. 「痛気持ちいい」強さになるよう調整
  5. 30秒〜1分キープ
  6. 小さく体を揺らして、マッサージ効果を加える

テニスボールを使う方法②(壁で)

  1. 壁に背を向けて立つ
  2. テニスボールを背中と壁の間に挟む
  3. 膏肓の位置に当てる
  4. 膝を曲げ伸ばしして、ボールを上下に動かす
  5. 1〜2分続ける

ダブルテニスボール(さらに効果的):

テニスボール2個をテープで固定したものを使うと、背骨を避けながら両側の膏肓を同時に刺激できます。

作り方:

  1. テニスボール2個を用意
  2. ボール同士をくっつけて、ガムテープでぐるぐる巻きにする
  3. 仰向けに寝て、背骨がボールの間に来るように当てる

こんな症状に効く

  • 背中全体が重だるい
  • 肩甲骨の間がこる
  • 深呼吸がしにくい(肋骨周りが硬い)
  • 咳が続いた後の背中の疲れ
  • 猫背からくる肩こり

私の経験談

プロチームのトレーナー時代、選手たちが最も喜んだのがこの膏肓でした。

特に野球選手は、投げる動作で肩甲骨周りを酷使するため、膏肓がカチカチになっていることが多かったです。

施術で膏肓をほぐすと、「そこそこ!めっちゃ効く!」と声が出るほど。終わった後は「肩甲骨が動くようになった」「腕が軽い」と喜ばれました。

テニスボールを使ったセルフケアを指導すると、遠征先のホテルでも自分でケアできるようになり、チームのコンディション維持に貢献しました。


ツボ⑧ 天宗(てんそう)

重要度:★★★★☆

肩甲骨の真ん中にあるツボ。肩甲骨を動かす筋肉に直接効きます。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:肩甲骨の輪郭を確認(上の縁、下の縁、内側の縁、外側の縁)

ステップ2:肩甲骨のちょうど中心点を探す

ステップ3:そこが天宗

別の見つけ方:肩甲骨の真ん中あたりを押してみて、「ズーン」と腕に響く場所を探します。かなり響く場所があるはずです。

具体的な押し方

反対の手で押す場合

  1. 右の天宗なら、左手を右肩にかける
  2. 手を背中に回し、中指を天宗に当てる
  3. 指の腹で押し込む
  4. 3秒押して2秒休む、これを5回

届きにくい場合は、押したい側の腕を反対側の肩に乗せると、肩甲骨が浮き上がって届きやすくなります。

テニスボールを使う場合

  1. 床に仰向けに寝る
  2. テニスボールを天宗の位置に置く
  3. 体重を乗せて30秒〜1分キープ
  4. 押したい側の腕を天井に向かって伸ばしたり、胸の前で交差させたりすると、肩甲骨の位置が変わって効き方が変わる

こんな症状に効く

  • 肩甲骨がガチガチ
  • 腕のだるさ、重さ
  • 肩を回すとゴリゴリする
  • 腕を後ろに回しにくい(エプロンが結びにくい、など)

ツボ⑨ 大椎(だいつい)

重要度:★★★★☆

首と背中の境目にある重要なツボ。東洋医学では「すべての陽経が交わる場所」とされています。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:首を前に倒す

ステップ2:首の後ろで一番飛び出す骨(第7頸椎)を確認

ステップ3:その骨のすぐ下のくぼみが大椎

確認方法:首を前に倒したり起こしたりすると、第7頸椎は動きますが、その下の第1胸椎はあまり動きません。動く骨と動かない骨の間のくぼみです。

具体的な押し方

指で押す場合

  1. 中指を大椎に当てる
  2. 垂直に押す(首の方向ではなく、背中の方向に)
  3. 3秒押して2秒休む、これを5回

蒸しタオルを使う場合(おすすめ):

大椎は押すより温める方が効果的なことが多いです。

  1. 蒸しタオルを作る(電子レンジで30秒〜1分)
  2. 首の後ろに当てる
  3. 3〜5分温める

ドライヤーを使う場合

  1. ドライヤーの温風を大椎に当てる
  2. 10〜15cm離して、熱すぎない程度に
  3. 1〜2分温める

こんな症状に効く

  • 首の後ろのこり
  • 風邪のひき始め
  • 寒気がするとき
  • 冷え性
  • 自律神経の乱れ
  • 免疫力の低下

ツボ⑩ 肩中兪(けんちゅうゆ)

重要度:★★★☆☆

大椎から肩に向かう途中にあるツボ。首と肩の境目のこりに効きます。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:大椎(首を前に倒したとき一番飛び出す骨の下)を確認

ステップ2:そこから外側(肩の方向)に指3本分(約5cm)

ステップ3:そこが肩中兪

具体的な押し方

  1. 反対の手を肩に置く
  2. 中指を肩中兪に当てる
  3. 真下に向かって押す
  4. 3秒押して2秒休む、これを5回

こんな症状に効く

  • 首と肩の境目がこる
  • 肩がすくみやすい
  • 首を横に倒しにくい
  • ストレスで肩に力が入る

5. 手・腕のツボ3選|どこでも押せる便利なツボ

手や腕にあるツボは、電車の中やオフィスでも目立たずに押せるのが大きなメリット。しかも、肩こりへの効果は侮れません。

「手のツボで肩こりが楽になるの?」と思うかもしれませんが、東洋医学では体は「経絡(けいらく)」というエネルギーの通り道でつながっていると考えます。

実際、私の施術でも手のツボを刺激すると肩の可動域が広がる方が多いです。「手を押しただけなのに肩が回るようになった」と驚かれることもしばしば。


ツボ⑪ 合谷(ごうこく)

重要度:★★★★★(最重要)

「万能ツボ」と呼ばれる超有名なツボ。肩こりだけでなく、頭痛、歯痛、風邪の初期症状、ストレスなど、様々な症状に効果があるとされています。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:手の甲を上に向ける

ステップ2:親指と人差し指を大きく開く

ステップ3:親指の骨と人差し指の骨が交わるところを探す

ステップ4:その合流点からやや人差し指寄り(約1cm)

ステップ5:骨と骨の間の、筋肉が盛り上がっているところ

もっと簡単な見つけ方

親指と人差し指をくっつけると、手の甲に筋肉の盛り上がり(山)ができます。その山の一番高いところが合谷の目安です。

確認方法:反対の手の親指で押すと、「ズーン」と腕に向かって響く感覚があります。かなり強く響く場所です。

具体的な押し方

基本の押し方

  1. 左手の合谷を押す場合、右手の親指と人差し指で左手をはさむ
  2. 右手の親指を合谷に当てる
  3. 人差し指は手のひら側に置いて支える
  4. 親指で、人差し指の骨の方向(手首の方)に向かって押し込む
  5. 5秒押して3秒休む、これを5回
  6. 左右両方行う

圧の強さ:体重1.5〜2kg程度。しっかり押しても大丈夫な場所です。

もみ圧を加える場合

押しながら小さな円を描くように動かすと、より深く刺激が入ります。

時間があるときのじっくりケア

合谷に圧をかけたまま3〜5分キープ。これを「持続圧」と呼びます。テレビを見ながらでもできます。

こんな症状に効く

  • 頭痛をともなう肩こり
  • 目の疲れ、眼精疲労
  • 顔のむくみ
  • 歯痛、歯茎の腫れ
  • 風邪の初期症状
  • ストレス、イライラ
  • 便秘

私の経験談

「万能ツボ」と呼ばれるだけあって、本当によく効きます。

私自身、頭痛がするときはまずここを押します。デスクワークが続いたときも、会議中でも膝の上で目立たずに押せます。

以前、偏頭痛持ちの30代女性のクライアントがいました。頭痛がひどいときは薬を飲まないと仕事にならないとのこと。

合谷のセルフケアを毎日15分続けてもらったところ、1か月後には「頭痛の頻度が半分以下になった」「薬に頼ることが減った」と報告がありました。

もちろん個人差はありますが、試してみる価値は十分あります。

⚠️重要な注意点

妊娠中の方は合谷を強く押さないでください。

合谷は子宮を収縮させる作用があるとされ、陣痛を促進するために使われることもあるツボです。安全を期して、妊娠中は避けてください。


ツボ⑫ 曲池(きょくち)

重要度:★★★★☆

ひじにあるツボ。腕全体のこりや疲れ、特にパソコン作業で腕を使う方におすすめです。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:ひじを90度に曲げる

ステップ2:ひじの内側にシワができる

ステップ3:そのシワの端(外側・親指側)を確認

ステップ4:シワの端の、骨のすぐ手前のくぼみが曲池

確認方法:押すと腕に「ズーン」と響きます。肩の方まで響くこともあります。

具体的な押し方

  1. 押したい側の腕を軽く曲げる(45度くらい)
  2. 反対の手で腕をつかむ
  3. 親指を曲池に当てる
  4. 4本の指はひじの内側を支える
  5. ひじの方向(骨に向かって)に押し込む
  6. 3秒押して2秒休む、これを5回
  7. 左右両方行う

圧の強さ:体重1〜1.5kg程度。

もみ圧を加える場合

押しながら、ひじを曲げたり伸ばしたりすると、ツボの下の筋肉が動いて効果的です。

こんな症状に効く

  • 腕のだるさ、疲れ
  • パソコン作業後の腕のこり
  • 肘から肩にかけてのつながったこり
  • 手をよく使う仕事の疲れ
  • 皮膚のかゆみ(東洋医学的な効果)

ツボ⑬ 手三里(てさんり)

重要度:★★★☆☆

曲池の少し下にあるツボ。「三里」という名前は「足三里」と同じで、体力増強の意味があります。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:曲池を見つける(ひじを曲げたときのシワの外側端)

ステップ2:曲池から手首の方向に指3本分(約5〜6cm)

ステップ3:前腕の外側(親指側)の筋肉の上

確認方法:押すと腕全体に「じわーっ」と広がる感覚があります。

具体的な押し方

  1. 押したい側の腕を伸ばす(または軽く曲げる)
  2. 反対の手の親指を手三里に当てる
  3. 4本の指は腕の裏側を支える
  4. 腕の中心に向かって押し込む
  5. 3秒押して2秒休む、これを5回
  6. 左右両方行う

こんな症状に効く

  • パソコン作業で腕がこる
  • 重いものを持つ仕事の疲れ
  • 腕を使うスポーツの後
  • 胃腸の不調(消化を助ける作用も)

6. 足のツボ2選|全身の調整に

「肩こりに足のツボ?」と思うかもしれません。でも、東洋医学では体は全部つながっていると考えます。

これは単なる哲学ではなく、実際に効果があります。足のツボを刺激すると、肩の筋肉がゆるむことは珍しくありません。

なぜでしょうか?

一つの説明は、足のツボを刺激することで副交感神経が優位になり、全身の筋肉がリラックスするから。もう一つは、足には肩や首につながる経絡が走っていて、そのラインを通じて効果が伝わるから。

理由はさておき、試してみると「あれ、肩が軽い」と感じる方は多いです。


ツボ⑭ 足三里(あしさんり)

重要度:★★★★★(最重要)

「健康長寿のツボ」として古くから知られる超重要ツボ。松尾芭蕉が『奥の細道』の旅に出る前にお灸をすえたという逸話は有名です。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:ひざのお皿(膝蓋骨)の下、外側にくぼみがある。これを「外膝眼(がいしつがん)」と呼ぶ。

ステップ2:外膝眼から下に向かって指4本分(約7〜8cm)

ステップ3:すねの骨(脛骨)の外側、約1.5cm外側

ステップ4:前脛骨筋という筋肉の上

別の見つけ方

椅子に座り、足首を上に反らせると、すねの外側に筋肉が盛り上がります。その筋肉の、ひざに近い部分を押してみてください。「ズーン」と足全体に響く場所があります。

確認方法:押すと足全体、ときにはお腹にまで響くような感覚があります。かなり強く響きます。

具体的な押し方

座って押す場合

  1. 椅子に座る
  2. 押したい側の足を床につける
  3. 両手の親指を重ねて足三里に当てる
  4. 体を前に傾けて体重を乗せる
  5. 5秒押して3秒休む、これを5回
  6. 左右両方行う

圧の強さ:体重2〜3kg程度。足のツボは比較的強めに押しても大丈夫です。

お灸を使う場合(おすすめ):

足三里は、押すよりお灸で温める方が効果的という人もいます。

せんねん灸などの台座灸を使うと簡単です。

  1. 足三里の位置にお灸を貼る
  2. 火をつけて燃え尽きるまで待つ(約5分)
  3. 左右両方行う
  4. 週に2〜3回を目安に

注意:火傷に注意。熱すぎる場合はすぐに取り除いてください。

こんな症状に効く

  • 疲れやすい、体がだるい
  • 慢性的な肩こり
  • 胃腸が弱い
  • 食欲不振
  • 免疫力の低下
  • 冷え性
  • むくみ

なぜ肩こりに効くのか

足三里を刺激すると、胃腸の働きが活発になります。東洋医学では「脾胃は気血を生む源」と言い、消化吸収が良くなると全身に栄養が行き渡ると考えます。

また、足三里は「足の陽明胃経」という経絡の上にあり、この経絡は顔から胸、腹、足へとつながっています。足三里を刺激することで、経絡を通じて上半身にも効果が及ぶと考えられています。


ツボ⑮ 崑崙(こんろん)

重要度:★★★☆☆

足首の後ろにあるツボ。首から背中にかけてのこりに効果があります。

正確な位置の見つけ方

ステップ1:外くるぶし(足首の外側の骨の出っ張り)を確認

ステップ2:アキレス腱を確認

ステップ3:外くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ

確認方法:押すとアキレス腱に沿って響く感覚があります。

具体的な押し方

  1. 椅子に座り、押したい側の足をもう片方の膝の上に乗せる
  2. 親指と人差し指でアキレス腱をはさむように持つ
  3. 親指を崑崙に当て、人差し指は内くるぶし側
  4. 親指と人差し指ではさむように押す
  5. 3秒押して2秒休む、これを5回
  6. 左右両方行う

こんな症状に効く

  • 首から背中にかけてのこり
  • 腰痛をともなう肩こり
  • アキレス腱の硬さ
  • ふくらはぎのむくみ
  • 足首の動きが悪い

⚠️重要な注意点

妊娠中の方は崑崙を刺激しないでください。

崑崙は子宮を刺激するツボとされており、早産のリスクがあると言われています。安全を期して避けてください。


7. 症状別ツボの組み合わせ|あなたの肩こりタイプに合わせて

肩こりと一言で言っても、人によって症状は様々です。ここでは、症状別に効果的なツボの組み合わせをご紹介します。

タイプ① デスクワーク型肩こり(パソコン・スマホ)

特徴

  • 首の後ろから肩にかけてこる
  • 目が疲れている
  • 頭が重い、頭痛がする
  • 猫背になりがち

おすすめツボの組み合わせ

  1. 風池(首の後ろ)×5回
  2. 天柱(風池の隣)×5回
  3. 合谷(手の甲)×5回
  4. 曲池(ひじ)×5回
  5. 肩井(肩の上)×5回

順番の理由:首→手→肩の順に押すことで、血流の流れに沿って効率的にほぐせます。

所要時間:約5〜7分

おすすめタイミング:1時間ごとに風池と合谷だけでも押す。昼休みと帰宅後に全部押す。

タイプ② ストレス型肩こり

特徴

  • 肩に力が入る、いかり肩
  • 歯を食いしばっている
  • 首の横側がこる
  • イライラすると肩がこる

おすすめツボの組み合わせ

  1. 翳風(耳の下)×5回
  2. 完骨(耳の後ろ)×5回
  3. 肩井(肩の上)×5回
  4. 合谷(手の甲)×5回
  5. 足三里(すね)×5回

順番の理由:顎周り→肩→手→足と、上から下へ流すイメージ。最後に足三里で全身をリラックスさせます。

所要時間:約7〜10分

おすすめタイミング:ストレスを感じたとき、寝る前

タイプ③ 運動不足型肩こり(慢性)

特徴

  • 肩甲骨が動かない
  • 背中全体が重だるい
  • 慢性的で、常にこっている
  • 体を動かすと少し楽になる

おすすめツボの組み合わせ

  1. 膏肓(肩甲骨の間)×テニスボールで1〜2分
  2. 天宗(肩甲骨の真ん中)×テニスボールで1〜2分
  3. 肩外兪(肩甲骨の上)×テニスボールで1分
  4. 大椎(首の後ろ)×蒸しタオルで3分
  5. 足三里(すね)×5回

ポイント:テニスボールを使って、じっくり肩甲骨まわりをほぐします。

所要時間:約10〜15分

おすすめタイミング:お風呂上がり、寝る前

タイプ④ 頭痛をともなう肩こり(緊張型頭痛)

特徴

  • 肩こりがひどくなると頭痛がする
  • 頭が締め付けられる感じ
  • 目の奥が痛い
  • こめかみがズキズキ

おすすめツボの組み合わせ

  1. 風池(首の後ろ)×5回、じっくり10秒押し
  2. 天柱(風池の隣)×5回
  3. 完骨(耳の後ろ)×5回
  4. 合谷(手の甲)×5回、じっくり3分持続圧
  5. 曲池(ひじ)×5回

ポイント:風池と合谷は特に長めに刺激。圧は弱めで、じわじわと効かせます。

所要時間:約10分

おすすめタイミング:頭痛を感じ始めたらすぐ、頭痛薬を飲む前に試してみる

タイプ⑤ 朝起きたときの肩こり・首こり

特徴

  • 朝起きるとすでにこっている
  • 首がこわばっている
  • 枕が合わない気がする
  • 寝相が悪い

おすすめツボの組み合わせ

  1. 大椎(首の後ろ)×蒸しタオルで3分
  2. 風池(首の後ろ)×5回
  3. 天柱(風池の隣)×5回
  4. 肩中兪(首と肩の間)×5回
  5. 肩井(肩の上)×5回

ポイント:まず大椎を温めて血流を促してから、周辺のツボを押します。

所要時間:約8〜10分

おすすめタイミング:起きてすぐ、布団の中で温まった状態で


8. シーン別おすすめツボ|いつ、どこで、何を押す?

8-1. オフィスで押すなら(目立たず効く3つ)

周りの目が気になるオフィスでも、さりげなく押せるツボを厳選しました。

① 合谷(手の甲)

  • 机の下で押せる
  • 会議中でもバレない
  • 所要時間:30秒

② 曲池(ひじ)

  • 腕を組むふりをして押せる
  • 椅子の肘掛けを使っても
  • 所要時間:30秒

③ 風池(後頭部)

  • 首を回すふりをして押せる
  • 両手で頭を支えるポーズで
  • 所要時間:30秒

おすすめルーティン

1時間に1回、トイレに立つついでに風池を押す。午前と午後に1回ずつ、合谷と曲池を押す。これだけで、退勤時の肩こりがかなり違います。

8-2. 自宅でじっくりケアするなら(効果重視5つ)

時間がある自宅では、テニスボールを使って本格的にケアしましょう。

必要なもの

  • テニスボール1〜2個
  • 蒸しタオル
  • ヨガマットまたはカーペット

① 肩井(肩の上)

  • 壁とテニスボールで押す
  • 1分

② 膏肓(背中)

  • 床に寝てテニスボールを当てる
  • 2分

③ 天宗(肩甲骨)

  • 同じくテニスボールで
  • 1分

④ 風池(後頭部)

  • 仰向けで頭の重みを使う
  • 1分

⑤ 足三里(すね)

  • お風呂上がりに指で押す
  • 1分

おすすめルーティン

お風呂上がりの体が温まった状態で行う。順番は上から下へ(肩→背中→足)。全体で10〜15分。週に3回以上続けると効果を実感しやすい。

8-3. 寝る前のリラックスに(3つのルーティン)

副交感神経を優位にして、ぐっすり眠るためのツボケアです。

① 完骨(耳の後ろ)

  • 横になった状態で押せる
  • 副交感神経を優位に
  • 1分

② 翳風(耳の下)

  • 噛みしめをゆるめる
  • 顎の緊張を解放
  • 1分

③ 風池(後頭部)

  • 一日の疲れをリセット
  • 頭の重さでやさしく押す
  • 1分

おすすめの姿勢

ベッドに仰向けになり、枕は使わないか、低い枕にする。照明は暗く、スマホは見ない。呼吸をゆったりと。

8-4. 急な肩こりに(即効性重視2つ)

「今すぐ楽になりたい!」というときは、この2つに集中してください。

① 肩井(肩の上)

  • 直接的に肩の筋肉をゆるめる
  • 1分

② 合谷(手の甲)

  • 全身の気の流れを整える
  • 1分

やり方

この2つを3分ほど交互に刺激してください。肩井を1分→合谷を1分→肩井を1分、という流れ。応急処置としてはこれで十分です。


9. ツボ押しの効果を高める5つのテクニック

基本的なツボ押しに慣れてきたら、これらのテクニックを加えてみてください。効果がさらに上がります。

テクニック① 呼吸と連動させる

やり方

  1. 息を吸いながらツボに指を当てる
  2. 息を吐きながら、3〜5秒かけてゆっくり圧を加える
  3. 吐き切ったところで圧がマックスになる
  4. 息を吸いながら、2〜3秒かけてゆっくり圧を抜く
  5. 繰り返す

なぜ効くのか

息を吐くと副交感神経が優位になり、筋肉がゆるみます。ツボ押しのタイミングを呼気に合わせることで、より深くほぐれます。

テクニック② 対になるツボを同時に押す

  • 風池(左)と風池(右)を同時に
  • 肩井(左)と肩井(右)を同時に
  • 合谷(左)と合谷(右)を交互に

なぜ効くのか

体の左右バランスを整える効果があります。左右差があると姿勢が崩れ、肩こりの原因になります。

テクニック③ 遠隔ツボと近隣ツボを組み合わせる

  • 肩井(肩)を押しながら、合谷(手)も押す
  • 風池(首)を押しながら、足三里(足)も押す

やり方

  1. まず近隣ツボ(こっている場所に近いツボ)を押す
  2. そのまま遠隔ツボ(離れた場所のツボ)を追加で押す
  3. 両方同時に刺激される状態を30秒キープ

なぜ効くのか

経絡の上流と下流を同時に刺激することで、流れが良くなると考えられています。実感として、1つのツボを押すより楽になりやすいです。

テクニック④ 押しながら動かす

  • 風池を押しながら、首をゆっくり左右に倒す
  • 肩井を押しながら、肩を回す
  • 翳風を押しながら、口を開け閉めする

なぜ効くのか

ツボの下にある筋肉を動かすことで、より深い層まで刺激が届きます。筋膜の癒着もはがれやすくなります。

テクニック⑤ 温める + 押す

やり方

  1. 蒸しタオルを対象部位に3分当てる
  2. タオルを外し、すぐにツボ押しを始める
  3. 血流が良くなっている状態で押すと、効果が倍増

特に効果的なツボ

  • 大椎(温めると自律神経が整う)
  • 肩井(筋肉が厚いので、温めてからの方がほぐれやすい)
  • 膏肓(温めると深い層まで効く)

10. よくある質問10選|素朴な疑問を徹底解消

【効果について】

Q1. ツボ押しはどのくらい続ければ効果が出ますか?

即効性を感じる方は最初の5分で「軽くなった」と感じます。ただし、根本的な改善には2週間〜1か月の継続が必要です。

私のクライアントでは、毎日5分のツボ押しを1か月続けた方の約9割が「肩こりが楽になった」と実感しています。

Q2. 効果はどのくらい持続しますか?

人によります。30分で元に戻る方もいれば、半日以上楽な方もいます。平均的には1〜2時間程度です。

大切なのは「一回で治そうとしない」こと。毎日続けることで、持続時間は徐々に長くなっていきます。

Q3. 強く押したほうが効きますか?

いいえ、むしろ逆効果になることがあります。「痛気持ちいい」程度(体重1〜2kg程度の圧)で十分です。

強く押しすぎると筋肉が緊張し、翌日もみ返しが起きることもあります。

Q4. 全然効かないのですが…

以下の可能性を確認してください:

  • 押し方が強すぎる(または弱すぎる)
  • ツボの位置がずれている
  • 肩こりの原因が筋肉ではない(頸椎の問題など)
  • 慢性化しすぎて自己ケアでは限界がある

2週間続けても変化がない場合は、専門家に相談することをおすすめします。

Q5. ツボ押しでストレートネックは治りますか?

ツボ押しだけでストレートネックが治ることはありません。ストレートネックは骨格の問題であり、セルフケアで改善するには限界があります。

ただし、ストレートネックによる筋肉のこりや痛みはツボ押しで軽減できます。根本治療には姿勢改善や専門家の治療が必要です。

【位置・押し方について】

Q6. ツボの位置が正確にわからないのですが…

完璧に正確でなくても大丈夫です。ツボの周辺数ミリの範囲には同様の効果があります。

押してみて「ズーン」と響く感覚があれば、だいたい合っています。最初は「この辺かな」くらいで始めてください。

Q7. 左右で痛さが違うのですが、異常ですか?

異常ではありません。多くの人は左右差があります。利き手側や、よく使う側がこりやすいのは自然なことです。

特にこっている側を重点的にケアしてOKです。

Q8. 押すと痛くて続けられません

圧が強すぎる可能性が高いです。痛みで息が止まるようなら、明らかに強すぎます。

もっと弱い圧から始めて、徐々に慣らしていってください。それでも痛い場合は、そのツボは避けて周辺を押してみてください。

Q9. 押しても何も感じないのですが、効いていますか?

圧が弱すぎる可能性があります。もう少し強めに押してみてください。

また、ツボの位置がずれている可能性もあります。周辺を広く押して、響く場所を探してみてください。

Q10. 爪が長くてうまく押せません

指の腹ではなく、関節の側面を使って押す方法があります。また、テニスボールや指圧棒を使えば爪の長さに関係なく押せます。

まずはこの記事を参考に自分で試してみて、さらに深めたくなったら上記を検討してみてください。


11. こんなときは病院へ|セルフケアの限界を知る

ツボ押しはあくまでセルフケアです。万能ではありません。

以下のような症状がある場合は、迷わず医療機関を受診してください。

11-1. すぐに受診が必要なケース(赤信号)

① 腕や手にしびれがある

肩こりに加えて腕や手にしびれがある場合、頸椎ヘルニアや胸郭出口症候群の可能性があります。神経が圧迫されている状態で、放置すると悪化します。

② 夜も痛くて眠れない

安静にしていても痛みが続く場合、単なる肩こりではない可能性があります。炎症や、まれに腫瘍が原因のこともあります。

③ 急に激しい痛みが出た

特に左肩から左腕にかけての激しい痛みは、心筋梗塞の初期症状の可能性があります。冷や汗や吐き気を伴う場合は救急車を呼んでください。

後頭部から首にかけての激しい痛みは、くも膜下出血の可能性もあります。

④ 熱がある

38℃以上の発熱を伴う首の痛みやこわばりは、髄膜炎の可能性があります。すぐに受診してください。

⑤ 原因不明の体重減少がある

肩こりに加えて、最近体重が減っている場合(ダイエットしていないのに)、悪性疾患の可能性を否定するため検査が必要です。

11-2. 早めに相談したほうがいいケース(黄信号)

  • 3か月以上続く慢性的な肩こり
  • 頭痛やめまいを頻繁にともなう
  • 首を動かすと痛みが出る(特に一定の角度で)
  • 腕が上がりにくくなった(五十肩の可能性)
  • マッサージやツボ押しで一時的に楽になるが、すぐ戻る
  • 最近、事故や転倒があった

11-3. 相談先の選び方

整形外科

  • 骨や関節の問題が疑われる場合
  • 頸椎ヘルニア、五十肩などの診断
  • レントゲンやMRIなどの検査ができる

脳神経外科・神経内科

  • 頭痛やめまいがひどい場合
  • しびれや麻痺がある場合
  • 脳の問題を否定したい場合

鍼灸院

  • ツボ治療を専門的に受けたい場合
  • 慢性的な肩こりを東洋医学的にアプローチしたい場合
  • 国家資格を持った鍼灸師に相談

整体院・カイロプラクティック

  • 筋肉や姿勢の問題を根本から改善したい場合
  • 定期的なメンテナンスを受けたい場合

私からのアドバイス

まずは整形外科でレントゲンやMRIを撮って、骨や関節に異常がないか確認することをおすすめします。異常がなければ、鍼灸院や整体院でのケアを検討してください。

自己診断は危険です。「たかが肩こり」と思っていたら重大な病気だった、というケースは実際にあります。少しでも不安があれば、専門家に相談してください。


まとめ|今日から始める肩こりツボケア

長い記事をここまで読んでいただき、ありがとうございます。

最後に、今日から始めてほしいことをまとめます。

今すぐやること(5分で終わります)

  1. 風池の位置を確認する
    • 後頭部、髪の生え際、首の筋肉の外側のくぼみ
    • 押してみて「ズーン」と響けば正解
  2. 風池を押してみる
    • 両手を頭の後ろで組み、親指で押す
    • 3秒押して2秒休む、これを5回
    • 両側で合計1分
  3. 合谷の位置を確認する
    • 手の甲、親指と人差し指の間
    • 押して響けば正解
  4. 合谷を押してみる
    • 反対の手の親指で押し込む
    • 3秒押して2秒休む、これを5回
    • 両手で合計1分

この2つのツボだけ覚えれば、肩こりのセルフケアは始められます。

1週間後の目標

  • 風池、合谷に加えて、肩井を押せるようになる
  • 毎日朝と夜に5分ずつ、ツボ押しを習慣にする
  • 自分に合うツボ、響くツボを見つける

1か月後の目標

  • 5〜7種類のツボを覚えている
  • テニスボールを使って背中もケアできる
  • 肩こりが軽くなったと実感している
  • ツボ押しが歯磨きのように習慣になっている

覚えておいてほしい3つのこと

① ツボ押しは万能ではない

効果はありますが、根本的な解決には姿勢改善や生活習慣の見直しも必要です。ツボ押しは「応急処置」と「メンテナンス」だと考えてください。

② 継続が一番大切

1回5分でも、毎日続ければ1か月で150分。週末に30分まとめてやるより、毎日5分の方が効果的です。

③ 異常を感じたら迷わず受診

しびれ、夜間痛、激しい痛み、発熱など、いつもと違う症状があれば専門家に相談してください。


10年以上この仕事を続けてきて思うのは、「こりにくい体」を作ることが一番大切だということ。ツボ押しはそのための第一歩です。

この記事を読んで「ちょっと試してみようかな」と思った方、ぜひ今すぐ風池を押してみてください。きっと何か感じるはずです。

それでも改善しない場合は、一人で悩まず専門家に相談してください。肩こりは適切なケアで必ず楽になります。


参考文献

  • 日本頭痛学会「頭痛の診療ガイドライン2021」
  • WHO「WHO Standard Acupuncture Point Locations in the Western Pacific Region」(2008)
  • 公益社団法人日本鍼灸師会「経穴の位置と効果」
  • Zheng H, et al. “Acupressure for chronic neck pain: A systematic review and meta-analysis” Journal of Pain Research. 2020
  • 形井秀一, 他「経穴とトリガーポイントの解剖学的比較研究」全日本鍼灸学会雑誌. 2015
  • Langevin HM, et al. “Mechanical signaling through connective tissue: a mechanism for the therapeutic effect of acupuncture” FASEB Journal. 2001